ぎっくり腰を繰り返すのはなぜ?「癖になった」の正体と、再発を断ち切る方法
2026/7/10
この記事で分かること
- ✓ぎっくり腰は再発しやすく、「癖になった」と感じるのには理由があること
- ✓繰り返す本当の原因:「痛みが消えた=治った」で毎回やめてしまうこと
- ✓再発のループを断ち切る3つのステップ
2回目のぎっくり腰で「またか」と思い、3回目で「もう癖になった」と諦める——。年に1回、ひどい人は季節ごとに繰り返して、「自分の腰はそういうものだ」と付き合い方を決めてしまっている方が、とても多くいらっしゃいます。
先に結論をお伝えします。ぎっくり腰が繰り返すのは、「癖」や「体質」ではありません。再発するだけの理由が体に残ったまま、毎回「痛みが消えた」ところで対策をやめているからです。理由がある、ということは、断ち切れるということです。
実際、ぎっくり腰は繰り返しやすい
まず事実から。急性腰痛は再発の多い症状で、1年以内に再発する人は研究によって数人に1人という高い割合が報告されています。あなたが特別弱いのではなく、「何もしなければ繰り返しやすい」のがこの症状の性質です。
ではなぜ、何もしないと繰り返すのか。
繰り返す理由①:「痛みが消えた」と「治った」は別物
ぎっくり腰の痛みは、多くの場合2〜4週間で引いていきます。ここで誰もが「治った」と判断して、日常に戻ります。
でも、痛みが消えた時点の腰は、傷が塞がっただけの状態です。痛みをかばって落ちた体幹の筋力、硬くなった股関節、痛みの間に染みついたかばい方のクセ——これらは痛みと一緒には消えません。痛みゼロ・機能マイナスの状態で元の生活に戻るから、次の「グキッ」までの距離が近いのです。
骨折した後にリハビリをするのは当たり前なのに、ぎっくり腰の後にリハビリをする人はほとんどいない。ここが再発ループの入口です。
繰り返す理由②:毎回、同じ動作で起きていませんか
思い出してみてください。あなたのぎっくり腰、毎回似た場面で起きていないでしょうか。朝の洗顔、床の物を拾う、くしゃみ、車から降りる瞬間——。
同じ場面で繰り返すのは偶然ではなく、その動作のやり方に、腰の同じ場所へ負担を集中させるクセがあるサインです。たとえば股関節が硬い人は、かがむ動作のたびに股関節で曲げるぶんを腰で代償します。1回1回は小さな負担でも、毎日数十回×何年分。限界を超えた日が「ぎっくり腰の日」になります。
つまり再発のたびに「運が悪かった」のではなく、同じ導火線に毎日火を近づけて生活しているのです。朝の動作で繰り返す方は洗顔で腰にズキッとくる人へも参考になります。
繰り返す理由③:「怖さ」が腰を弱くしていく
何度か繰り返すと、「また、なるんじゃないか」という怖さが生まれます。すると無意識に腰を使わない動き方になり、体幹の筋肉はさらに弱くなり、ますます再発しやすい腰になる——この不安と弱化のループが、「癖になった」という感覚の正体です。
癖になったのではなく、怖さが体を再発しやすい方向に作り替えている。だから「怖がらずに動ける体を取り戻すこと」自体が、再発予防の柱になります。
断ち切るための3ステップ
ステップ1:「治った」の定義を変える。 痛みが消えた日をゴールにせず、「痛くなる前より強い腰になった日」をゴールにする。具体的には、痛みが引いたあとの2〜3ヶ月こそ、体幹と股関節の運動を続ける期間です。
ステップ2:自分の「導火線の動作」を特定する。 過去のぎっくり腰がどんな場面で起きたかを書き出してみてください。共通点があれば、それがあなたの導火線です。その動作のやり方(かがみ方・起き上がり方)を直すことが、何よりピンポイントの予防になります。
ステップ3:予防を「歯磨き化」する。 再発予防の運動は、特別な日課ではなく歯磨きレベルの習慣に落とすのが続けるコツです。朝の布団の中の3分(朝の体のほぐし方で紹介した内容)だけでも、何もしないよりずっといい。
なお、繰り返すたびに痛みが強くなっている・脚のしびれを伴うようになった場合は、単純な再発ではない可能性があるので、一度整形外科で検査を受けてください。長引いている場合はぎっくり腰が1ヶ月たっても治らないも読んでみてください。
「何度目かのぎっくり腰」の方こそ、評価を
フィジオサロンキムラには、「もう3回目なので、いい加減なんとかしたい」と来られる方が少なくありません。繰り返している方は、初回の方より原因の特定がしやすいという面もあります。再発の場面という手がかりが揃っているからです。
理学療法士が、あなたの導火線の動作と、そこに負担を集めている体の使い方を評価して、「次を起こさないための体づくり」を一緒に進めます。ぎっくり腰は、付き合い続けるものではなく、卒業できるものです。