股関節の前方滑り症候群とは?原因・症状・改善方法を解説


「ランニングをすると、足の付け根の前側が痛くなる」
「深くしゃがみ込むと、股関節に何かが挟まるような詰まり感がある」
ストレッチをしても良くならないその痛み。実は、股関節の「骨の位置」がわずかにズレていることが原因かもしれません。
今回は、理学療法の世界的な権威であるシャーリー・サーマン(Shirley Sahrmann)が提唱する理論に基づき、股関節痛の正体と改善策を解説します。
こんな方に読んでほしい記事です
- 股関節の「前面」に痛みや違和感を感じている方
- ランニングや階段の昇り降りで、股関節が詰まるように感じる方
- デスクワーク後に股関節が固まりやすい方
- 将来の変形性股関節症が不安で、根本改善を目指したい方
股関節の詰まり・痛みの正体「前方滑り症候群」とは?

股関節前方滑り症候群(Femoral Anterior Glide Syndrome)とは、太ももの骨の頭(大腿骨頭)が、正常な位置よりも前方にズレて動き続けてしまう状態のことです。
本来、股関節はボール(骨頭)がその場で綺麗に回転することで動きます。しかし、お尻の筋肉(後ろの支え)が弱くなり、太もも前側の筋肉が硬くなると、ボールが前へ前へと押し出されてしまいます。その結果、関節の前にある組織が挟み込まれ、「詰まり感」や「痛み」が発生します。これを治すには、単なる柔軟体操ではなく、「ボールを後ろに引き戻す」ための正しい運動制御が必要です。
この記事を読むメリット
- 股関節の痛みの原因となる「骨のズレ(前方滑り)」のメカニズムを理解できる
- なぜ普通のストレッチでは治らないのか、その理由が分かる
- 「お尻を鍛えて、前を緩める」という具体的な改善手順を学べる
なぜ骨が前にズレる?3つの原因と症状の関係

この症候群は、筋力のアンバランスによって引き起こされます。どこの筋肉がどうなっているのかを表に整理しました。

| 原因(筋肉の状態) | 股関節で起きていること | 感じる症状・リスク |
|---|---|---|
| 殿筋群(お尻)の弱化 | 後ろから支える壁がなくなるため、骨頭が前に動きやすくなる。 | 歩行時やランニング時の、股関節前面の痛み。 |
| 腸腰筋・四頭筋の過活動 (前ももの使いすぎ) | 硬くなった筋肉が、骨頭を前方へ強く引っ張り出す。 | 足を上げた時の「詰まり感」や、可動域の制限。 |
| 後方組織の柔軟性低下 | 関節の後ろが硬くてスペースがないため、前に行くしかない。 | 放置すると関節唇損傷や変形性股関節症のリスク増。 |
【現場の視点】「膝を抱えるストレッチ」は逆効果かも?

私が臨床現場でよく見かけるのが、「股関節が詰まるから」といって、仰向けで膝をグーッと胸に抱え込むストレッチ(体操座りのようなポーズ)を一生懸命やっているケースです。
実は、前方滑り症候群の方にとって、この動作はさらに症状を悪化させる可能性があります。
なぜなら、すでに骨頭が前にズレている状態で無理に股関節を深く曲げると、ズレた骨が関節の縁にさらに強く衝突(インピンジメント)してしまうからです。
「曲げると痛い・詰まる」という方は、無理に曲げるストレッチは一旦中止し、まずは次に紹介する「お尻の強化」を優先してください。

前方滑りを修正する!改善エクササイズ&ストレッチ

ポイントは「後ろ(お尻)を強くして、前(腸腰筋)を緩める」ことです。
① 殿筋(お尻)を活性化する「クラムシェル」

骨頭を後ろから支える壁を作ります。
- 横向きに寝て、両膝を軽く曲げます(かかとは揃える)。
- かかとを離さないように、上の膝をゆっくり開きます(貝殻が開くように)。
- 骨盤が後ろに倒れないように注意しながら、お尻の横に効かせます。
- 10〜15回×2セット行います。
② 前側を正しく伸ばす「ハーフニーリング・ストレッチ」

前に引っ張る力を弱めます。※腰を反らないのが最大のコツです。
- 片膝立ちになります(膝の下にタオルを敷くと痛くありません)。
- お尻の穴を締めるようにして、骨盤をやや後ろに傾けます(後傾)。
- その姿勢を保ったまま、少しだけ重心を前に移動させます。
- 足の付け根が伸びていればOK。30秒キープします。
③ 日常生活での意識「ヒップヒンジ」

椅子から立ち上がる時や、物を拾う時、膝を前に出すのではなく「お尻を後ろに引く(くの字に折る)」動きを意識しましょう。
これにより、体重が股関節の後ろ側に乗り、前方へのズレを防ぐことができます。
まとめ:股関節の「詰まり」は身体からのサイン

股関節前面の痛みは、「使い方が間違っているよ(骨がズレているよ)」という身体からのサインです。
これを無視して運動を続けると、関節そのものが変形してしまう恐れがあります。
シャーリー・サーマンの理論に基づいた「正しい運動制御」を身につければ、痛みなくスポーツや日常生活を楽しむことは十分に可能です。
「自分の股関節はどうなっているの?」と気になった方は、ぜひ一度ご相談ください。
股関節前方滑り症候群に関するよくある質問


Q1. ウォーキングやランニングは続けてもいいですか?
A. 強い痛みや、翌日に痛みが残る場合は、炎症が起きている可能性があるため一時中止をおすすめします。痛みが軽い場合は、「歩幅を狭くする」「お尻を使って歩く」ことを意識して継続しても大丈夫ですが、走る量はいったん減らし、お尻のトレーニング(クラムシェルなど)の割合を増やしてください。
Q2. 自分で「前方滑り」かどうかチェックする方法はありますか?
A. 簡易的なチェックとして「トーマステスト」があります。仰向けになり、片方の膝を胸に抱えます。この時、伸ばしている方の足が床から浮いてしまったり、外側に逃げようとしたりする場合は、腸腰筋が硬く、前方滑り予備軍の可能性が高いです。
Q3. 整体で骨のズレは治りますか?
A. 整体(徒手療法)で一時的に骨頭の位置を正しい位置に戻すことは可能です。しかし、それを維持するための「筋力(お尻の支え)」がないと、歩いているうちにまたズレてしまいます。当院では「施術で位置を戻す」+「運動で維持する」の両輪で根本改善を目指します。

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