理学療法士から整体師に転職した理由

こんにちは。理学療法士の木村晋一朗です。
私は15年間、医療・介護業界に理学療法士として勤務し、その後独立を決意。2022年7月19日に個人事業主として整体院を開業しました。
この記事では、現役の理学療法士である私が、なぜ病院勤務から「整体師」へのキャリアチェンジを選んだのか、その背景にある「理学療法士の開業権」の問題と、実際の現場で感じた体験談を交えて解説します。
理学療法士に開業権はない?日本における現状と結論
まず、検索している方が最も知りたい結論からお伝えします。
現在、日本において理学療法士には法的な「開業権」がありません。
これは医師法および医療法により、理学療法士が医師の指示なしに診断や治療(医療行為)を行うことが禁止されているためです。したがって、理学療法士が独立する場合、医療保険が適用される「クリニック」ではなく、自由診療(自費)による「整体院」や「コンディショニングサロン」として開業するのが一般的なルートとなります。
なぜ日本の理学療法士は開業できないのか
専門知識を持っているにもかかわらず、なぜ日本では開業が認められていないのでしょうか。主な理由は以下の2点に集約されます。
1. 医師法・医療法による規制
日本の法律では、医療行為は医師の管理下で行うことが原則とされています。理学療法士及び作業療法士法においても、理学療法は「医師の指示の下に行われる」と定義されています。
これは患者さんの安全を守るため、病状の総合的な管理を医師に一元化するという目的があります。
2. 教育カリキュラムの違い
日本の理学療法士養成校(専門学校や大学)は、最短3年で資格取得が可能です。カリキュラムは「医師の指示のもとでリハビリを行う技術」に重点が置かれており、独立して診断(トリアージ)を行うための医学的診断学や薬理学、経営法規などの教育時間は、開業権を持つ国に比べて少ないとされています。
海外では「ダイレクトアクセス」が当たり前?
日本では認められていない開業権ですが、世界に目を向けると状況は大きく異なります。北米や欧州、オーストラリアなど多くの国では「ダイレクトアクセス」という制度が確立されています。
- ダイレクトアクセスとは:
患者さんが医師を介さず、直接理学療法士の診断・治療を受けられる仕組み。
主な国の状況
| 国・地域 | 開業権・受診形態 | 教育・権限の特徴 |
|---|---|---|
| アメリカ | 多くの州で可能 | 博士号(DPT)レベルの教育が主流。独立した診断能力が求められる。 |
| オーストラリア カナダ |
可能 (ダイレクトアクセス) |
開業権が広く浸透しており、市民の一次医療(プライマリケア)を担う。 |
| イギリス | 一部可能 | 一定の要件を満たせば、薬の処方や特定の医療行為も可能。 |
💡 オーストラリアでの実体験
私自身、研修のためにオーストラリアへ渡り、現地の医療事情を視察した経験があります。
そこでは、理学療法士が街中にクリニックを構え、腰痛やスポーツ障害の患者さんが「まずは理学療法士に診てもらう」という光景が日常でした。医師の指示を待つことなく、専門家として自律して働く彼らの姿は、私が日本の制度に疑問を持ち、後の独立を考える大きなきっかけとなりました。
理学療法士が「整体」として独立するメリット・デメリット
法的な「理学療法クリニック」が開設できない日本において、多くのPT(理学療法士)が選ぶのが「整体院」としての起業です。
医療から離れ、サービス業としての整体を選ぶことには、明確なメリットとリスクが存在します。
理学療法士が整体を開業するメリット
- 自由な施術と運営:
保険診療の枠組み(20分単位や疾患別リハビリの日数制限など)に縛られず、自分が最適だと考える時間をかけて施術を提供できます。 - 予防医療への貢献:
「診断がつく前」の不調や、慢性的な肩こり・姿勢改善など、病院では対応しきれないニーズに応えることができます。 - 高単価・高収入の可能性:
自由診療(自費)であるため、技術と付加価値に見合った料金設定が可能です。
整体開業の課題とリスク
| 課題 | 内容と注意点 |
|---|---|
| 法的リスク | 「治療」「治る」「診療」といった文言は医療法や薬機法(旧薬事法)に抵触するため、広告表現には細心の注意が必要です。 |
| 経済的負担 | 全額自己負担となるため、患者さんの金銭的ハードルは高くなります。確かな技術と「通う価値」の提供が必須です。 |
| 医療連携の難しさ | 医師との連携が希薄になるため、重篤な疾患(レッドフラッグ)を見逃さない鑑別能力が、病院勤務時代以上に求められます。 |
よくある質問(FAQ)
最後に、理学療法士の開業についてよく寄せられる質問をまとめました。
理学療法士の開業に関するQ&A
Q1. 医師の指示があれば、整体院でも「理学療法」を提供できますか?
A. 基本的にはできません。
理学療法は「医療機関」で提供される医療行為です。整体院は医療機関(病院・診療所)ではないため、たとえ医師の指示書があったとしても、整体院で保険適用となる「理学療法」を算定・提供することは医療法等の観点から認められない可能性が高いです。あくまで「整体施術(リラクゼーションやボディワーク)」として提供する必要があります。
Q2. 理学療法士が整体院を開くのは違法ではありませんか?
A. 違法ではありません。
理学療法士がその資格を保持したまま、個人事業主として整体院を開業すること自体は合法です。ただし、「マッサージ」という名称を使ったり(あん摩マッサージ指圧師の独占業務)、医療行為と誤認させるような広告を行ったりした場合は法律違反となります。
Q3. 将来、日本でも理学療法士の開業権は認められますか?
A. 現時点では未定ですが、議論は続いています。
高齢化社会における医療費の増大や、予防医療の重要性の高まりから、日本理学療法士協会なども職域の拡大に向けて活動しています。アメリカやオーストラリアのような完全な開業権が得られるまでには、教育制度の見直しや法改正など高いハードルがありますが、私も一人の理学療法士として、その可能性に期待しています。
最後までお読みいただきありがとうございました。
理学療法士としての確かな知識をベースに、整体というフィールドで目の前のクライアントに全力を尽くす。それが今の日本で私たちができる一つの挑戦の形だと考えています。
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